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今、地方のグルメシーンがにわかに熱を帯びはじめている。福岡市『Goh(ゴウ)』は、英国メディア発「Asia’s 50 Best Restaurants」に2025年度もランクイン。このコンペティションでの受賞は2016年度からの常連で、国内の美食家よりも先に海外フーディに見い出された名店と言っても過言ではない。九州の食材を用いて卓越したアイデアで表現するイノベーティブなフレンチが、国境を越えて人々の舌を魅了する。福岡随一の賑わいを見せる博多区中洲のリバーサイドというロケーションも抜群なビルの3階から、この秋1階へと移転しリスタート。わずかな空席が予約で埋め尽くされる前に、訪れるべき1軒だ。

Goh 福山 剛 氏

ふくやま ごう●1971年、福岡県出身。高校時代にフランス料理店でアルバイトを始め、料理の道へ。卒業後、福岡の『イル・ド・フランス』『マーキュリーカフェ』で修業を積み独立。2002年、福岡市内に『ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ』を開業し、5000円のおまかせコース1本で地元客に愛される名店へ。2010年代、上海のお客様との縁でタイ『GAGGAN(ガガン)』のシェフであるガガン・アナド氏と親交を深め、期間限定のコラボレーションレストラン『GohGan』を実施すること10回以上。2016年、「Asia’s 50 Best Restaurants」31位に初ランクイン。2019年、「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎2019特別版」にて1つ星獲得。2023年、博多区の複合施設「010 BUILDING」にターブルドットスタイルの『Goh』をオープン。

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Gohとは

珠玉の一席を目指して世界から食通が駆けつける福岡の名店

博多で中洲といえば、那珂川と博多川の間に提灯の灯りがずらりと並んだ夜の屋台の情景を思い起こす。独自の食文化が花開くこの地で、福山剛氏は35年以上キャリアを積んできた。自身の名を冠した『Goh』の店を構えるのは、活気あふれる中洲のリバーサイドで巻貝のようなビジュアルで異彩を放つ複合施設「010 BUILDING」だ。博多駅や福岡空港からのアクセスは至極良好。しかも博多のランドマーク的なキャナルシティ隣にあり、他府県はもちろん、海外からのゲストも迷うことなくたどり着ける。

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『Goh』のファンに、なぜそこまでこのレストランに惹かれるのかと尋ねてみると、「味はもちろんのことだが、シェフの人柄の良さやおもてなしのスタイルそのものがこのお店の魅力だ」と答えが返ってきた。

『Goh』の料理は、“ターブルドットスタイル”と呼ばれるフレンチの一つの形式で提供される。フランス語で「主人がもてなす食卓」を意味する“ターブルドット”。もとはレストランの店主がゲストと同じテーブルに着いて目の前で調理し、その場に居合わせた者同士が食事を楽しむスタイルに由来する。『Goh』では5名が一つのテーブルを囲み、美味しい時間と楽しい空間を客同士で共有するのだが、シェフやスタッフとの距離が実に近い。オープンキッチンで繰り広げられるライブ感たっぷりの調理シーンやシェフのおもてなしが、一皿ごとの味わいのスパイスとなる。

福山氏が体現してきた“主人がもてなす食卓”で、相席するのは日本人客ばかりでない。『Goh』の前身となる『ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ』が2016年に「Asia’s 50 Best Restaurants」に選出されて以降、海外からの来客はこの店ではデフォルトに。わずかな席のリザーブをめぐる争奪戦に訪日客が参戦し、狭き門に拍車がかかっているというわけだ。

天神の厨房、中洲の客席が磨いた、料理人生の序章

1971年、福岡で生まれた福山氏が、料理に目覚めたのは小学生の頃だった。

「誕生日プレゼントに親に調理器具をねだるような子どもでした(笑)。料理専門誌を読み出したのが、中学生くらいかな。それでシェフという職業を知りましたし、同時に憧れを抱くようになって。高校2年の春休みには親戚が営むフレンチレストランでアルバイトして、卒業したらこの道に進もうと決めたんです。」

高校卒業後、天神にあった老舗仏料理店『イル・ド・フランス(現在閉店)』に就職。名シェフを多数輩出してきた福岡屈指の名店で7年修業し、料理人としての礎を築いた。そこでの経験を足がかりに箔を付ける意味でも渡仏するシェフが多い中、福山氏は中洲のワインバーに転職する。

「25歳のとき、『マーキュリーカフェ(現マーキュリー リバー グリル)』のシェフになりました。当時は10席ほどのオープンキッチンの店でした。クローズドキッチンで、決められたメニューを教えられた通りに作ってきた修行先とは正反対。目の前にお客様がいますから、会話を交わしつつ食べる速度や表情を見ているうちに、本当に料理を楽しんでくれているのかどうかまでわかるようになって。ときにはメニューにないものを作れと無茶な注文もありました。少しずつそれに応えていくことで、料理も自分の気持ちの幅も広がった感じがあります。」

お客様を喜ばせる料理は必ずしも自分がいいなと思うものではない。

日々のお客様とのやり取りが、福山氏のお客様の気持ちに沿った心から楽しめる料理を作るという考えをより強固なものにした。ワインバーでの6年間で大きな学びを得た福山氏は2002年独立し、西中洲に『ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ』を開く。34席ほどの店だったが、5000円のおまかせコース1本という潔さが地元客の心を掴んだ。福山氏のおおらかな人柄や細やかなサービスも相まってファンを増やし、繁盛店へと成長。そんなとき、中国から定期的に訪れるゲストが現れ、福山氏に思いがけないチャンスをもたらした。

世界的なシェフとの出会いが世界へ飛び立つきっかけに

「タイ・バンコクの名店『Gaggan(ガガン)』の料理長、ガガン・アナンドさんをご紹介していただいたんです。それでガガンさんとコラボレーションする機会に恵まれました。」

『ガガン』は「Asia’s 50 Best Restaurants」におけるベストレストラン賞獲得常連店(2025年度も1位受賞)で、ミシュランガイド バンコク2018(The Michelin Guide Bangkok 2018) では2つ星も獲得したタイを代表する名店だ。

「彼は実に発想が自由で、とくに素材の組み合わせには何度も驚かされました。僕は一つの料理をじっくりと改善を重ねていくタイプなのですが、ガガンさんは真逆で突然別の料理を思いついたりする。彼の料理を口にしたお客様が「こんな料理があるのか!」と驚嘆する姿を目の当たりにして、お客様に感動を提供することの大切さも学びましたね。」

世界的シェフとの共同作業は福山氏の感性と技術を磨き、『ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ』は2016年の「Asia’s 50 Best Restaurants」に初ランクイン。「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎2019特別版」でも一つ星を獲得した。評判はさらに広がり、「Middle East & North Africa’s 50 Best Restaurants」の特別セッションにて料理人としてアブダビに招かれ、また「Asia’s 50 Best Restaurants」のプライベート・アフターパーティーでも腕を振るうなど、世界からその料理を求められる存在となっている。

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届けたいのは九州の食材の魅力が伝わる“食べ疲れない”フレンチ

世界的な評価を受けた後も、福山氏は奢ることなく進化の歩みを止めない。変わらず大切にしてきたのは、地元・九州への思い。九州は海山の食材の宝庫。あちらこちらの生産者と絆を紡ぎながら、希少な食材を季節ごとに取り揃える。

「瀬戸内海の魚介であれば、秋の季節だったら唐津の赤うに、宮崎のめひかり。山であれば熊本の和栗。熊本のあか牛は、年間を通してお出ししています。故郷が誇る食文化を世界の舞台に届けたいですね。」

福岡でしか料理修業の経験がないことが、長らくコンプレックスだった福山氏。王道を歩まずとも今や世界のシェフと肩を並べ、フレンチをベースに和食やタイ料理、中東料理といったニュアンスも盛り込まれた独自の料理でゲストを魅了し続ける。それでも2023年に『Goh』をオープンしたとき、前身の『ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ』の20年来のファンは「料理も雰囲気も変わった」と戸惑ったそうだ。

「SNSで見つけて遠方から来てくださるお客様は尖った料理に期待されているので、この2年はその調整期間でした。ようやく食べやすい安心感の中に驚きを潜ませた、『Goh』らしい料理になってきたように思います。」

2025年10月、「010 BUILDING」3階から1階へと場所を変え、新生「Goh」はどのようなプレゼンテーションで驚かせてくれるのか。地元の常連客はもとより、世界中のフーディが期待で胸を膨らませている。

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九州の食材とフレンチの融合が、世界の美食家を日々驚かせる

世界中のグルメがそれを求めてわざわざ福岡にやってくる味をご自宅で

福山氏の料理哲学は「すべてのお客様に満足してもらいたい」という一点に尽きる。奇をてらわず、まっすぐに美味へ向かう姿勢が軸である。ワインバー時代に培った「表情を読む目」は時を経て「おもてなし」へと昇華し、一皿ごとに共感を呼ぶ設計へ結実している。

そんな福山氏が、店の味を気軽に楽しんでほしいとの思いでリリースしたのが、店の看板にして世界中からその味を求めてフーディ達がわざわざ足を運ぶ料理──「鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え」だ。

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鮑という非日常の主役に、日常の滋味である椎茸を寄り添わせ、あおさの磯香が両者をつなぐ。蒸し上げた鮑の繊細な食感と旨味、炊き含めた椎茸の濃厚な風味、そこへ焦がしバターの円熟したコクが重なり、和と仏の境を静かに越える。福岡の地から生まれた、世界に誇る調和の一皿である。

その核にあるのは、日本の食材とフレンチの技法の渾然たる融合だ。このメニューにはなんと10年の歴史が つまっているという。実はこのメニューもともとはフォアグラを使用するなどいわゆるフレンチの王道をゆくメニューだった。しかし全国各地はもちろんのこと世界中のグルメがお店にやってくるにつれ、「『Goh』に来た甲斐があった、楽しかった。」と思ってもらうにはどうすればよいか、ひたすらに向き合い続けた。そして生まれたのが、日本や九州の素材を大いに生かす今の形だった。

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鮑は昆布出汁と酒でやわらかく蒸し上げて旨味を凝縮し、余計な磯香をそぐ。椎茸は出汁・醤油・みりんで穏やかに含め味の奥行きを深める。さらに椎茸をピュレに仕立て、焦がしバターで香りをつけたソースが、フレンチの技でひとつに束ねる要となる。土台を成すあおさのリゾットは、鮑の出汁と肝がもたらす豊かな旨味を抱き込み、海の風味を盤石に支える。和の繊細さとフレンチの構築性が互いを高め合い、福山氏の唯一性を輪郭づける構成だ。

※ミールキット商品の鮑は韓国産の鮑を使用しております

「Asia’s 50 Best Restaurants 2025」では、11軒の日本のレストランがトップ50入りを果たした。そのうち9軒が東京、1軒は大阪と大都市圏の入賞が並ぶ中、その他の地方で唯一ランクインした『Goh』。そんな世界から注目を集めるお店の特別な味をぜひお楽しみ頂きたい。

CHEF’S COMMENTS

シェフからのひとこと

「今回お届けするのは、店で多くのお客様にご愛顧いただいている、私たちのシグネチャーメニューです。

濃厚な鮑と椎茸に、旨味をきかせた焦がしバターのソース、海の香りをしっかりと抱いたあおさのリゾット──それぞれが寄り添い、交わり合うように設計いたしました。

なかでも特に大切にしたのは“鮑と椎茸の食感”です。鮑は昆布と酒でふっくらと、噛むほどにしなやかな弾力を。椎茸は丁寧に含ませました。ソースは滑らかに仕立て、リゾットが全体を受け止める。ひと口ごとに層が重なり、旨味がたおやかに立ち上る、そのリズムまでお楽しみいただければ幸いです。

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このお店の商品

Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
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Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
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Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
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Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
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Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
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Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
Goh:鮑と椎茸の焦がしバターソース あおさリゾット添え
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9,000円

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