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江戸前鮨の名店が群雄割拠する東京・港区。なかでもミシュランガイド東京2022より一つ星を4年連続で獲得し、独自の存在感を放ち続けているのが、南青山にある「鮨 龍次郎」だ。大将の中村龍次郎氏が提供するのは、「鮨を堪能した」という鮮烈なまでの満足感。その口福なひとときを享受すべく、3ヶ月先まで予約の客が全席を埋め尽くす。そんな魅惑のプレミアムシートを確保できるかどうかは電話をかけるタイミング次第という、指折りの予約困難店。

鮨 龍次郎 中村 龍次郎 氏

なかむらりゅうじろう●1986年、東京都江戸川区出身。中華料理店を営む両親のもとで育ったが、物心がつく頃から鮨職人に憧れる。高校卒業後、祖父の故郷である石川県金沢市の鮨店で5年間修業を積む。帰京後は銀座の2軒での研鑽を経て、伝説の名店「海味」に入り、故・長野充靖氏に師事。師の急逝後、29歳で同店の二代目となり、4年にわたって暖簾を守る。2019年に独立し、南青山にて自身の名を冠した「鮨 龍次郎」を開業。

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鮨 龍次郎とは

電話のタイミングひとつで遠のく、屈指の予約困難店

江戸前鮨の名店がひしめく東京・南青山。そのなかで「鮨 龍次郎」は、ミシュランガイド東京2022から2026まで一つ星を連続で獲得し、独自の存在感を放ち続けている。なかでもこの店の名をいっそう特別なものにしているのが、予約の取りづらさだ。予約は3か月先まで受け付けているが全席満席。(※取材時点)電話をかけるタイミングを逃せば、席を確保するのは極めて難しい。まさに屈指の予約困難店である。

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青山通りから一本入ったビルのはざまに佇む店に足を踏み入れると、白木のカウンターが凛とした空気をつくる。大将の中村龍次郎氏が、材木屋を営む親戚を通じて入手した木曽檜の一枚板だという。供されるのは、おまかせコースのみ。

「まずは一貫握らせてください」と差し出される中トロには、豊洲市場で最高峰と名高い仲卸「やま幸」の生本鮪を使用。脂の旨み、シャリのほどけ、赤酢の余韻が一体となって広がり、一貫目から店の格を鮮烈に印象づける。全国の食通がこのひとときを求める理由は、席に着いた瞬間からすでに伝わってくる。

名刺代わりの中トロは豊洲市場で最高峰と名高い仲卸「やま幸」の生本鮪を使用。鮪の柔らかさ、香り、甘み を最大限に活かすシャリを追求し、最適バランスを追求している。

29歳で名店を託された男を支えた、技術と心意気

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中村龍次郎氏の食の原点は、鮨ではなく中華の厨房にある。実家が中華料理店で、幼い頃から料理は身近な存在だった。中学生になると、遊びに来た友人たちに父の見よう見真似で五目あんかけ焼きそばを作って振る舞ったという。目の前の相手が喜んでくれる。そのうれしさが、料理人を志す揺るぎない原点になった。

高校卒業後、鮨職人の道を選んだ中村氏は、祖父の故郷でもある金沢の鮨店で5年間修業を重ねた。日本海側ならではの魚種や鮮度感、食文化を学び、土台を築いたのちに帰京。銀座の鮨店でスピードと生産性を身につけ、さらに高みを求めて、ミシュランガイド掲載店で修業したいとの思いからミシュランガイド東京2009より二つ星を獲得し続ける名店「海味」の門を叩いた。


そこで学んだものは、技術だけではない。素材の目利き、江戸前鮨の仕事、そしてお客様との向き合い方。そのすべての核にあったのが、師・長野充靖氏の「旨い鮨を握るのは当たり前。お客様の心まで握れ」という言葉だった。

現在の「鮨 龍次郎」に若い職人たちの明るい声が飛び交い、カウンター越しに笑顔と会話が生まれるのは、この教えが店の隅々まで息づいているからにほかならない。

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いつかは自分の店を持ちたい。そんな思いを胸に、日々修業に励んでいた中村氏に転機が訪れる。2015年、長野氏が急逝したのだ。

店の存続が危ぶまれるなか、暖簾を託されたのは、わずか29歳の中村氏だった。

師から学んだ技術と、何よりその心意気を胸に、4年間「海味」の味と空間を守り続けた。お店の格もしっかりと守り抜いたという事実が、彼の覚悟と実力の確かさを物語っている。

鮪を引き立てるためにシャリを突き詰めた「鮨 龍次郎」ならではの執念と設計思想

2019年に独立し、「鮨 龍次郎」を開業した中村氏が真っ先に着手したのは、ネタではなくシャリの再設計だった。

理由は明快だ。独立したらどうしても使いたいと願っていた「やま幸」の本鮪。その圧倒的な香りと力強さを受け止めるには、従来のシャリでは余韻が弱く、ぼやけてしまうと感じたからである。

鮪に焦点を合わせるなら、米の炊き方も、酢の配合も、すべてを見直さなければならなかった。

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鮨 龍次郎では熟成した味ではなくフレッシュさを重視。毎朝市場に赴いてその日の最高の素材を買い付ける。

米は土鍋ではなく羽釜で炊く。強い熱対流で一気に炊き上げることで、粒の輪郭が際立ち、口の中でほどける理想の食感へと近づけた。さらに中村氏が突き詰めたのが、4種の酢を掛け合わせた独自のブレンドである。深み、キレ、旨み、やわらかなつなぎ。異なる役割を持つ酢を緻密に組み合わせることで、塩味と甘みを極限まで抑え、酸と旨みだけが澄んだ輪郭をもって立ち上がるシャリを目指した。そのシャリは、単に酸味を効かせたものではない。鮪の脂を受け止め、香りを引き上げ、一貫の余韻まで美しく導くための設計である。

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羽釜で炊かれた米に4種類の酢をブレンドした酢とかけ合わせる。これにより龍次郎独自の味わいが生まれる。

しかもそれで終わりではなく、季節やネタに応じて日々微調整を重ねる。鮮度を何より重んじ、ネタごとにシャリの温度まで変える。その積み重ねの先にこそ、「龍次郎」の一貫がある。中村氏が目指すのは、ただ技術の高さを見せる店ではない。「この店がお客様にとってのパワースポットでありたい」と語るように、旨い鮨を握るのは大前提。その先で、お客様の心まで握ること。それこそが、師から受け継ぎ、自身の店で体現し続けている信念である。

断面の9割が極細千切りキュウリで埋め尽くされる名物「かっぱ巻き」。ほかでは味わえないシャキシャキとした食感はまさに記憶に残る一品。

師匠から受け継いだ穴子を龍次郎氏が磨き上げ
この一品のためにシャリまで突き詰めた穴子寿司

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今回の商品に込められているのは、「鮨 龍次郎」の味を感じてもらいたいという、中村氏のまっすぐな思いだ。たどり着いたのは押し寿司。なかでも主役に選ばれた穴子は、師匠から受け継いできた、思い入れの深いネタである。

師匠から受け継いだこの穴子に、中村氏はあえてひと手間もふた手間もかける。一度炊いたあと、さらにタレ焼きを複数回繰り返すことで、深みと香ばしさをまとわせた。甘さだけでは終わらない、奥行きのある味わいこそが、この商品の核のひとつだ。

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煮穴子を更にタレ焼きすることでより深い味わいを楽しむことができる。

もうひとつの核は、シャリにある。中村氏はこの押し寿司のためだけに、4種の酢のブレンドをあらためて組み直した。深みを支えるもの、酸を立ち上がらせるもの、旨みとコクを添えるもの、そして全体をやわらかくつなぐもの。異なる役割を持つ酢を緻密に掛け合わせ、この商品で目指すべきバランスへと導いている。そうして生まれたのは、握り用とは異なる、今回の押し寿司だけのための専用シャリである。その事実こそ、この商品に注がれた思いの深さを物語っている。

さらに、穴子とシャリの間には玉子焼とかんぴょうを忍ばせた。主張しすぎることなく、穴子の旨みと香ばしさを引き立てるための名脇役である。甘く香ばしい穴子、この商品のためだけに設計された酸味の立つシャリ、そして脇役まで含めた一体感。その重なりのなかに、「鮨 龍次郎」の仕事と美意識が息づいている。ご自宅でのお食事にも、大切な方への贈り物にもおすすめしたい一品だ。

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この一品のためだけに何度も試行錯誤を重ねた「シャリ」に、お店のレシピを使った玉子焼き・かんぴょう・ガリ。これらがもたらす一体感をぜひ味わって頂きたい。

CHEF’S COMMENTS

シェフからのひとこと

この商品では、私が大切にしている穴子の旨みと香ばしさ、そしてシャリとの調和を感じていただけたらと思っています。

穴子はひと手間を重ねることで深みのある味わいに仕上げ、シャリもこの一品のために何度も試作を重ねました。

玉子焼きやかんぴょう、ガリまで含めた全体の重なりを、ぜひゆっくりと味わっていただけたらうれしいです。

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名店のこだわりを知る

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